たまにしか書かない日記

本当にたまにしか書かないです。すみませんねぇ…

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「容疑者Xの献身」
現在進行中のややこしい仕事のうち1つがほぼ片づいてちょっと一段落ついたとこです。
でも残りの1つがもっとややこしくて締め切りまでもう少し時間があるけど、すでにお尻に火がついております…。

そんなわけでちょっと遅くなりましたが読みました! 東野圭吾の「容疑者Xの献身」
いやぁ〜評判通りにすごく面白かった!
以下、ネタバレにならないように注意しつつ感想を少々。

東野圭吾の作品はバラエティー豊かで、謎解きに重点を置いた本格系のものもあれば、登場人物の心情面に重点を置いた人間ドラマ的なものもあって、それぞれにすばらしい作品がありますが「容疑者Xの献身」はその二つの側面を兼ね備えた傑作だと思いました。
「本格」好きの人は、あれこれ推理を巡らせながら読み進めて疑問点にぶつかったら本を閉じてじっくり考えて…といった読み方をしても十分期待に応えてもらえます。
「ドラマ」好きの人は、あれこれ深読みするのはさておいて、登場人物の心情に想いをはせながら読み進めていけば十分に感動させてもらえます。

この作品は「本ミス」(「本格ミステリ ベスト10」)で1位になってたことから、自分は本格ミステリーとして読んだのですが、本来、本格ミステリー(わざわざ「本格」と付くとき)は登場人物の心情面はさほど重視されず、むしろ謎解きにあたっては動機も含めて心情面はオマケ的な位置づけになっている(あるいは積極的に排除されている)ことも多く、本文中に書かれた伏線を元に論理的・物理的に犯行が可能か否かのみで推理する(できる)ことがポイントになります。(本格好きはこの点が好きで、本格嫌いはそれが許せないのでしょう…笑)
つまり推理する上で「こいつが一番恨んでるからやりそう」とか「この二人は仲がいいからなさそう」とかといった心情的な理由はほとんど何の役にも立たないことになっています。

ところが、この作品では登場人物の心情面がストーリー展開においても伏線においてもかなり重要なファクターになっており、読み手が途中で真相に気づくには登場人物の心情も含めた人物像を想像すること(推理ではなく)が必須だと思いました。
(だとしたら、この作品を「本格」ミステリーとして位置づけるのは微妙なものがあるような気もするけど、でも「本ミス」で1位になったってことは世間はこれを「本格」と認めたってことなんだろうね…)(まぁ面白けりゃどっちでもいいんだけどさぁ…笑)

実は、自分は2/3のあたりまで読んだところでほぼ全容が推理できた(読み終えてそれがほぼ間違ってなかった)のですが、その根拠には登場人物の人物像に基づく想像がかなり含まれていて、それ抜きにはおそらく気づけなかったと思うんです。
もちろん途中で結末がわかったからといってこの作品の面白さにはなんの影響もなく、そこらへんがこの作品の持つドラマ性の高さでありすごいところだと思います。
その結末(の可能性)に思い当たったときは鳥肌が立って思わず「えー、でもそんな、嘘やろ…」って独り言をつぶやいてしまったほど感情移入させられていました。

もっともっと書きたいことはあるけど、これ以上書くとどんどんネタバレに走りそうなのでここらへんにしときますね。(「すでにネタバレになってんじゃんかー!」と思われた方がいたらゴメンなさいぃ〜)

とにかく「容疑者Xの献身」はすごく面白いのでまだ読まれてない方には是非ご一読をおすすめしますよ。


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