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How to Setting - セッティングについて - |
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ドラムのセッティングについては、ドラマーの体格や奏法、使用されるパーツの違いによっていろいろなバリエーションがあり、「こうじゃなきゃいけない」というものはありませんが、基本的に以下の点に注意しながらセットすることで「自分に適した」セッティングに仕上げることができるでしょう。
- 演奏しやすいセッティングにする。
- あたりまえのことですが、手の届かないようなところにセットしては「ただの飾り」以外なんの役に立ちませんし(笑)、距離的に問題なくても不自然なフォームを強いられるようなセッティングでは、無用な疲れを招くうえに演奏のクオリティを落としてしまいます。
- 自分の体格や奏法と相談してなるべく楽に演奏できる配置を考えましょう。
- 音のいいセッティングにする。
- たとえ距離的に叩きやすい場所にあっても、実際演奏するときにスティックの当たる角度が深すぎたり浅すぎたりするようではいい音は望めません。
- 各パーツの特性や自分の体格・奏法によって適した配置を考えましょう。
- 楽器に負担のかからないセッティングにする。
- ドラマーにとって演奏しやすい配置であっても、楽器の側にしてみたらストレスのかたまりのようなセッティングになっていては、演奏中に倒れたり位置がズレたりする心配がでてきますし、大切な楽器の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。
- どこにどういう力がかかっているかに注意をはらったセッティングも心がけましょう。
実際のセッティングでは、これらの条件が互いに矛盾をはらむことも多く全てを満たすことはなかなか難しいのですが、これらを考慮した上での自分に適した「妥協点」を見つけることが大切と言えるでしょう。
パーツ別のセッティングのポイント
- バスドラム/フットペダル
- バスドラムは全体をセッティングした後に位置を変更するのが大変なので、まず最初にバスドラムの位置を決めてから他のセッティングに取りかかります。
- バスドラムはスパーの長さを調節してフロント面が床から多少持ち上がる(2cm程度)ようにセットした方が安定するし音質的にも向上します。
- 床の材質によってはスパー先端の滑り止め用の剣先を使ったり、マットをひく等滑りどめ対策が必要になります。
- フットペダルはバスドラムのヘッド面に対して直角になるようにしっかり取り付けます。(ただし必要以上に強く締め付けるとバスドラムのフープやペダル自身を痛めるので「ズレない程度の強さ」を心がけましょう)
- ドラム・ストゥール(椅子)
- ストゥールの高さによって座ったときの膝の角度が決定されます。
- 一般的に膝の角度は直角(90度)よりやや開いた程度が良いとされていますから、その程度の高さ(立ったときの自分の膝付近の高さ)を基準にして、自分が演奏しやすい高さを見つけましょう。
- フットペダルに右足を置いて身体が正面を向く位置にストゥールをセットします。
- スネア
- 自分の正面にくる位置にセットします。
- スタンドの脚はあまり開きすぎるとフットペダルやハイハットペダルの邪魔になりやすいので、「不安定にならない程度に狭く」(あるいは「邪魔にならない程度に広く」)するのがコツです。
- スネアの高さは、演奏時に手が腿に当たらないよう打面が自分の腿より数cm程度(かなり好みに左右される部分ですが、5〜10cmくらい)高くなるようにします。
- スネアの打面は水平を基準として好みによって叩きやすい角度をみつけましょう。(リムショットを多用する場合は水平に近い方が叩きやすいし、レギュラーグリップの時は左側が高い方が叩きやすい)
- スナッピーを操作するストレーナーの位置に注意しましょう。(一般的には時計の8時〜9時付近にしているドラマーが多いようです)
- ハイハット
- スネアを中心にバスドラムのフットペダルと左右対称の位置にハイハット・ペダルがくるようにするといいでしょう。(スネアに向かって正面に座ったとき、両足がスネアを中心に同じような角度になる位置)
- ペダル下の接地面は完全に接地させるよりわずかに(1mm程度)持ち上げた方が安定します。
- バスドラムと同様に床の材質によっては滑り止め用の剣先を使ったり、マットをひく等滑りどめ対策が必要になります。
- ハイハット・シンバルの高さは奏法や好みにもよりますが、スネアに対して高すぎても低すぎても演奏しづらくなるので、適当な高さをみつけましょう。(kenは正面タムの打面の高さ付近にあわせています)
- タムタム
- タムの打面は水平に近いほど演奏フィーリングがスネアに近くなりスティック・コントロールが楽になりますが、そうすることで必然的に打面が高くなり距離的にも遠くなるので自分に向けて多少角度をつけるのが一般的です。
- 各タム間の隙間はぶつからない程度になるべく狭くして、打面はできるだけ揃えるようにした方が演奏がスムースになります。
- タムをタムホルダーにセットするロッドは深く差し込み過ぎると音質に悪影響を及ぼしますが、かといってあまり浅すぎるとホルダーに負担がかかりすぎるので「ころあい」をみつけましょう。
- フロアタム
- フットペダルを中心にスネアと対称になる位置を基準にして、フットペダルを操作する邪魔にならない程度に近くした方が演奏がスムースになります。
- フロアの高さはスネアと同じかやや低めにして、打面は水平が基準になりますが、多少自分に向けて角度をつけた方が叩きやすくなるでしょう。
- シンバル類
- シンバルは水平にセットするとスティックのショルダー部分を使った激しい奏法に向き、角度をつけるとスティックのチップ部分を使った繊細な奏法がやりやすくなります。(このことから、クラッシュは水平に近くライドは少し角度をつけているドラマーが多い)
- また同じシンバルの場合、水平にセットするほどサスティーンが長くなり、角度をつけるほど短くなる傾向にあることもおぼえておきましょう。(短いクラッシュ音が欲しいチャイナはほとんど垂直にセットされるも多い。まぁこれは音的な意味よりもビジュアル的な意味でそうしてるケースも多いでしょうが…)
- 各シンバルのセッティング位置や高さは好みによるところも大きいのですが、演奏時のシンバル自体の揺れも考慮して他のパーツにぶつからない程度の距離と高さは確保し、同時に必要以上に遠くならない配慮が必要です。(特にライドシンバルは他のシンバルに比べて連続して叩くことが多いので、なるべく腕を伸ばさなくても叩ける位置にある方が楽になります)
- ブームスタンドを使用すればセッティングの自由度が高まり便利ですが、ブームを必要以上に長く伸ばして使うと重心が崩れてスタンドが不安定になりトラブルのもとになるので、必要最小限の長さを心がけると同時に3本ある脚のうち一本はなるべくブームと同じ向きにする等バランスにも配慮したセッティングを心がけましょう。
- その他全般について
- 各部を固定するためのネジ類は緩すぎるとズレたりはずれたりすることになりますが、かと言って力まかせに締め付ける必要はなく(力まかせに締め付けるとすぐネジ山が磨耗してダメになる)、「普通の力加減で締めていって最後に少しだけ力を入れて止める」感じを心がけましょう。
- スタンド等につけられたメモリークランプはセッティングの再現性を高めると同時に安定度も高まりますから積極的に使いましょう。