毎週火曜日は昼間会社でゴソゴソ仕事して夕方からはドラムのレッスンに出かけてるんだけど、今週の火曜日そのレッスン会場にいきなり怪しげな二人連れの男がやってきた。
その時はまだ生徒は来てなくて、いつも持ち歩いてるノートパソコンでゴソゴソとプログラムを書きながら生徒が来るのを待ってたとこだったんだけど、不意に「こんにちはー。すみませーん」って声がしたのでドアをあけると、見知らぬ二人連れの男が立ってて「松田さんですか?」(*注:松田ってのはkenの本名)って聞くから「はい、そうですが?」って答えると、「お仕事中お邪魔します。警察の者ですが」って言うの。
それを聞いたとき反射的に「げ、もしかしてゴミの分別をエエかげんにやってたのがバレたか・・・」とか「もしかして、どっかで違法駐車してたのを誰かにチクられたか・・」なんてことが脳裏に浮かんだんだけど、「実はある事件の捜査でお尋ねしたいことがありましてお伺いしました」って言われてちょっと一安心。(・・していいんだかどーだかわからんけど)
内心「あ、これって刑事ドラマで見たことある場面だ」って思いながら話を聞くと、先週の火曜日に宮野で強盗事件があったらしくて(kenはその事件を知らなかったんだけど、後で知り合い数人にこの話をしたらみんな知ってた・・)、その目撃証言にもとづく犯人の人相風体ってのがどうやら僕に似てるってことらしいの。
それにしてもさぁ、なんで僕が似てるってことがわかったんだぁ?
そのことを刑事さんに聞いてみたところ「過去に職務質問をしたことのある人物のデータから条件に該当する人を当たってます」って答えだったんだけど、少なくともここ10年以内に職務質問された記憶なんてないんだよね。(高校の頃なんかはよく夜中にうろうろしてるとこを職務質問されてたけどさ)
交通検問だったら何度かあるけど、あんなんで人相風体まで記録するんやろか?
まぁ、それはさておいて。(自分的にはかなりこの点に引っかかってるんだけど)
その警察の人が言うには「大変失礼ですが、先週の火曜日のお昼頃は何されてましたか?」ってことで、これまた内心「あ、アリバイ調査ですか」って思いながらも、そこで「アリバイですか?」なんて聞くといかにもドラマのセリフをパチってるみたいだから(パチってるんだけど)そんなことは言わずに、じっと先週の火曜日の記憶をたぐろうとするんだけど何も出てこないの。
僕の生活パターンを知ってる人だったら、一般的にいう「お昼頃」ってのがkenの「朝方」にあたることがわかるから「多分、起きた頃ですね」って言えるんだけど、とりあえずそれは言わないことにする。
で、こぉいうときに便利なのがコンピュータなんだよねー。
すかさず「ちょっと待ってくださいね。コンピュータの中にスケジュールとかメールとか仕事の履歴が残ってると思うんで、見たら何か思い出せると思います」っていながらコンピュータの中をゴソゴソ探すんだけど、アリバイの役に立ちそうな物が何もないんでやんのーー! (--;;;;
とにかくわかったことといったら、事件のあった前夜は大歳の仕事部屋にこもって今取りかかっている仕事の準備でサーバの仕込み作業をやってて、それが片づいたのが多分夜中の3時頃。
それから仕込み済みのサーバマシンを車に積んで会社に持ってって、デモ環境用にネットワークに接続して設定やらなんやらやって一段落ついたのが夜中っていうか事件当日未明の午前4時頃。(このタイミングで関係各位に作業報告をメールしてたから、その送信履歴でここらへんのことが思い出せた)
もちろんここまでの行動は一人でやってたから誰にも会ってないうえに、そもそもまだ事件は起きてない。
それから、いつもどおり家に帰って睡眠モードに入るわけなんだけど、今、同居してる父親が入院してることで家は一人暮らし状態だからここでもやっぱり誰にも会ってないのぉ〜。。(よく「家族の証言は役に立たない」って話を聞くけど、何も無いよりはずっといいんじゃない?って今回思った)
その後何時に起きたか憶えてないんだけど(ここらへんが最大のポイントになる時間帯)、いつものパターンでいうと昼過ぎに起き出して、喫茶店(うぃるびー)でランチを食べるかコーヒーを飲むかして会社に行くとこが多いんだけど、そこは毎週火曜日が定休日だからその日は絶対行ってないし・・・。
そもそも、明け方まで本格的に仕事した翌日は会社に顔をださないこともあるから、先週の火曜日がどうだったか思い出せないままなんだけど、いずれにしても火曜日って会社にいっても社員一同出払ってることがほとんどで誰もいないことが多いから、どっちにしてもきっと誰にも会ってないぃぃぃ。
間違いないのは、夕方からドラムのレッスンで生徒に会ってるってことなんだけど、その時間ってのはすでに事件が起きてだいぶ経ってるようだから、はっきりいって何のアリバイにもなりませぇ〜ん。。うーむ、kenちゃんピ〜ンチ・・・!
刑事さんに「いやぁ、、いわゆるアリバイらしいものはないですねぇ」なんて答えながら、一応そういった状況は説明したんだけど・・・。
こうなったら、もし物理的に犯行が可能であるにせよ、状況的にありえないってことを説明しなきゃと思って、まず最初に思いついたのが「んーな、僕みたいなきゃしゃな身体で強盗なんて出来るわけないっすよぉ」って言おうかと思ったんだけど、考えてみたら「目撃証言から人相風体が似てる」ってことで僕を訪ねて来てるんだから、その目撃証言が正しいとすれば実際の犯人も僕みたいな人相風体なわけでこれは何の説得力もない、と気づいたからこれは言いませんでした。
次に思ったのが、事件があったのはなんとか市場っていう野菜とかを売ってるとこって話だったから、だとすれば僕の野菜嫌いは結構有名であることを根拠に「僕がそんなとこに強盗に入るわけないっすよ」って言うのはどうかって思ったんだけど、考えてみたらおそらく犯人は野菜が欲しくて強盗に入ったわけじゃないんだろうからこれも却下しました。
それに合間合間にさりげなく質問されることにも「ところで松田さんはタバコは吸われますか?」「はい、よく吸います」ってな感じで、ますます容疑は深まるばかり・・。
なんかさ、考えれば考えるほど「もしかして犯人って僕?」みたいな雰囲気が漂ってくるあたりが実に気味悪いんだけど、刑事さんの側は特にそんな感じじゃなくて、むしろ「こりゃ違うわな」みたいな感じで「いや、正直なところ、本格的に怪しい人には内密に調査を進めますから、こうやって会いに来たってことはあまり心配されなくて大丈夫です」って言ってくれたり(でも、全然疑ってなかったら来ないでしょ?)、犯人の似顔絵を見せてくれたりもしたんだけど(この似顔絵ってのがもう見た瞬間思わず笑ってしまったほど僕に似てるの。きっと僕を知ってる人がこの絵をみたら誰もが僕を連想するに違いないって思った)、こっちとしては気が気じゃないよ。
まぁ、そんなこんなで単に容疑を深めただけのような話が終わって、帰り際に刑事さんから「もしこれまで松田さんによく似てるとか、よく間違えられる人とかおられたらいつでも連絡してください」って言われたんだけどさ、これってその刑事さんの頭の中では僕が犯人のイメージにぴったりってことなんじゃないの?
そういえばさその刑事さんから名刺をもらったんだけど、相手が名刺の準備を始めると反射的にこっちも名刺を取り出して「松田です。今後ともよろしくお願いします」って挨拶してしまったあたり、かなり仕事ボケしてることを自覚したkenでした。
身の潔白を晴らすにはもはや真犯人が逮捕されるしかないって感じだから、お願い早く犯人捕まって・・・。