昨日はYAMAHA関係の用事で広島に行ってきました。
この春からYAMAHAのポピュラーミュージックスクール(kenがドラムを教えてるとこ)のシステムが大幅に変更されることになって、それに向けての研修会みたいなものだったんですが、新しく導入されるシステムはなかなか良いと思いました。
この雑記帳でもこれまで何度かネタとして取り上げたことがありますが、あえて繰り返すとkenは音楽に対して「いろんな人が、いろいろ自由に楽しめるもの」といった意識を持ってて、例えば「楽器を演奏する」というのはいろんな楽しみ方の中の一つに過ぎないと思っています。
その「楽器を演奏する」にしても実際はいろんな楽しみ方があるわけで、例えば「仲間とバンド演奏する」とか「職場の宴会でハッタリかます」とか「一人で密かにやってます」とか、その他諸々‥‥。
さらに、「仲間とバンド演奏する」にしても、「完全コピーバンドを目指す」とか「既成曲のアレンジを変えてやる」とか「純オリジナル曲でいく」とか「気分次第でいろいろやる」とかありますよね。
そうやって考えてみると、共通するポイントは「楽しんでる」ってことであって、そのポイントを押さえてあればもはや「なんでもあり」で、そのポイントをはずしてたら「なんか違う」って思うわけなんです。
ただここらへんは、音楽の宿命として「演奏する側」と「聴く側」という二者が必ず存在する(単に一人でこっそりやってる時でさえ「演奏してる自分」と「自分の演奏を聴いてる自分」がある)ことで、実際は需要と供給の折り合いをつけた方がいい場合もあって、一言では片づけにくいことでもあります。(状況によって「演奏者がやりたいようにやる」〜「聴き手の期待に応える」の間のバランスを考えることが必要かも‥‥といったような意味で)
いずれにしても、究極、何をもって「良し」とするかは演奏者自身なり聴衆自身なりにまかされてるわけで、明確な「正解」というものは存在しないと思うんです。
ところがいざ教える側に立つと、なんらかの正解が用意されてるならそっちへ導く努力をすればいいだけなのが、そうじゃないことでなかなか厄介な状況になってしまうわけです。
単に「好きなようにやってればいい」としたらそもそも教える必要も習う必要もないわけだし、かといって「こうじゃなきゃダメ」っていうのもないとなるとなかなかやりづらいものがありそうでしょ?
そう考えると講師としては、上に書いた「演奏者の意志」と「聴衆の意識」のバランスをとれるような「一般的に良しとされる演奏」をとりあえずのターゲットとして生徒の指導にあたるしかないし、現実的にも初期段階ではそれが効果的だと思えます。
そして、その初期段階を脱した生徒に対しては、おいおい自分自身の意志(演奏者の意志)を持ってそれを表現できるような、また、その意志を尊重できるようなレッスン内容に変化していく必要があると思うんです。
そこで新たな問題として、最初の頃はみんなで一緒にやれてたのが、そのへんになってくると個人によるバラツキがかなり明確にでてくるとこになり、おのずと個別対応の必要性が高まってくるということがあるわけなんですが、これはもはや当然のことであってそういった個人差が見えてこないようなレッスンをしてるとしたらそれこそ大問題だと思うんです。(なんか当たり前のことを力説してる気分になってちょっと恥ずかしくなったが‥‥)
ところが、これまでのYAMAHAのレッスンカリキュラムでは、今の日本の教育体制を地で行くような画一的なご都合主義に走りすぎてるフシがあって(まぁ学校教育の場合、個別対応の難しさから全体の効率を考えるとある程度しかたないとも思いますが)、そこらへん何かと従いづらい面もあったのが、今回の改訂でようやく「個人の尊重」・「脱マニュアル指向」がうかがえるような内容になって、最初に書いたように「なかなか良い」と思ったわけでした。
もっともYAMAHAのレッスンカリキュラムにあまり従ってなかったkenとしては、これまでとやることはあまり変わらないわけなんだけど(笑)、そういうやり方についてこれまでYAMAHA関係者から何かとレッスン方法にケチつけられることが多かった(「生徒間でレベルのギャップが生まれやすいやり方」だとか「全国展開しているYAMAHAの教室としては、全国均一なレッスン内容を目指しています」とかって‥‥。アホかよ‥‥)のが、いくらか減るかもって思うと少しは気が楽になるよ。
それにしても、kenとしては「おぉ!YAMAHAにしては、なかなかポイント押さえたこと言ってるやんか」といった内容だったし大阪から来てた説明役の先生の話も面白かったんだけど(うぅ‥‥、いい話する先生やと感心してたのに名前忘れちまったい‥‥)、研修を受けてる講師側から出てくる質問とか研修後の感想とか聞くと「マ、マジかよ‥‥?」っていうようなポイントはずしまくりの話がいろいろ飛び出してて、そこらへんアホらしくて面白いから書こうと思ってたんだけど、思いっきり長くなったからこれはまた別の機会にしよう。
毎度のことながら最後まで懲りずに読んでくれた人、どうもありがとうございました。
ken
1997/03/10
音楽